放射線防護においては、集団の被曝線量を経済的及び社会的な考慮を計算に入れた上で、合理的に達成可能な限り低く(ALARA)保つようにすることをいう。1977年国際放射線防護委員会により、正当化、線量制限などと共に提出された考え方のひとつである。1990年の勧告でも防護の最適化の重要性を再び強調している。経済的及び社会的な考慮(要因)は多岐にわたるので、同勧告にはこの用語<防護の最適化>は随所で用いられている。例えば、放射線防護の最適化の判断(設計段階)の手順、職業被曝における防護の最適化、医療被曝における防護の最適化、公衆被曝における防護の最適化、公衆被曝と職業被曝の相互関係がある場合の防護の最適化等である。最適化する場合の定量的評価の具体的方法はICRPでも検討中である。