ポイズン

ポイズン ぽいずん

 poison. 中性子をよく吸収して核分裂連鎖反応を弱め、原子炉の反応度を低下させるような中性子吸収断面積の大きい物質をいい、例えば原子炉では核分裂生成物であるキセノン(135Xe)などがある。また核燃料物質を多く含んだ初期装荷炉心の核分裂反応を抑えるために、ウラン燃料にボロン(10B)やガドリニウム(Gd)を固定又は直接混入させる「可燃性毒物」がある。この方法により新燃料の燃焼初期の燃焼速度を抑制して原子炉の反応度の調整が行われ、長期の燃焼が確保される。また、原子炉の運転中に反応度を制御し、事故時には緊急停止するのに用いられる制御棒や外部から注入して反応度を低下させる反応度制御用液体の毒物質として、インジウム(In)、カドミウム(Cd)、ボロン(B)や10Bを含むホウ酸水溶液などがある。燃料加工施設や貯蔵施設などではカドミウム(Cd)を板状にして燃料配列の間に配置したり、燃料を囲み、中性子を吸収させ反応度を低下させて臨界になるのを防ぐのに用いられる。


<登録年月> 2011年10月

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