ポアッソン分布 ポアソン分布

ポアッソン分布 ぽあっそんぶんぷ

 離散的確率分布の一つであり、一定の時間長さ、一定の空間的大きさ、一定個数の試料などを対象とした場合に希に起こる事象の発生確率を表す分布。独立な同一確率事象の繰り返しとなる試行を行う場合に、試行の回数をn、特定事象xの起こる確率をpとすると、特定事象の発生確率分布は、平均値をλ=npとした二項分布に従う。ここで、λを一定としたままnを無限に大きくすると(つまり発生確率pを無限に小さくしていくと)、この二項分布はポアソン分布となり次の式で表される。P(x)=e−λ・λ/x!この式が示すとおり、ポアソン分布の形状は平均値λの値のみで決定される。ポアソン分布の例としては、1日の交通事故死亡者数の1年間にわたる分布、短時間における自然放射線の計数値の1日での分布などが挙げられる。低頻度で発生する事象の分布確率によく当てはまるため、実用的には、放射線の被ばくによるがんの発生リスクを、ポアソン分布を用いた回帰分析で推定する試みがなされている。


<登録年月> 2010年10月

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