風車により風力エネルギーを回転エネルギーに変換し、この回転エネルギーで誘導発電機を駆動して電気エネルギーを生産する発電方式。再生可能エネルギー発電の一種であり、立地場所によっては火力発電に匹敵するコストで発電ができ、ライフサイクルでみても廃棄物や環境排出がきわめて少ないことから、欧州諸国を中心に開発利用が積極的に進められている。日本でも電源の多様化、クリーンエネルギー利用の促進等の観点から導入が図られているが、風況の良好な地点が少ない、山岳地形が多く設置にコストがかかる、風況の良い日本海側では冬季に落雷が多いなどの課題も多く、計画どおりには導入が進んでいない。また、出力の時間変動が大きいため、小規模な系統に組み込んだ場合には電力需給バランスの正確な維持が難しくなり周波数偏差(交流電力周波数の定格値からのずれ)が拡大しやすいという課題もある。各電力会社の供給系統が櫛形に繋がった日本ではこの課題への対応も重要であり、今後の一層の普及促進のためには低コストで大容量の蓄電技術の開発による出力の平滑化も必要とされている。