現象が量子力学で説明される微小な体系(量子力学系)において、古典力学的には超えられない大きさのポテンシャル障壁を超え、一定の確率で粒子がある状態から別の状態に移動したり、あるいはα壊変などの核反応が起こること。量子力学系では粒子は波としての性質が強く表れ、その挙動は波動関数で表現され、波動関数がポテンシャル障壁の外側でも0ではない(小さな確率ではあるが外側にも存在し得る)ためにトンネル効果が起こる。なお、すべての物質は波動としての性質を持つが、古典力学が取り扱うマクロな物質では波長がきわめて小さく、波としての性質は無視できる。そこで、ポテンシャル障壁を超えて移動する確率をゼロとした古典力学の方程式で物質の運動を記述することができる。