あらゆる計測器は、それを用いた測定の信頼性を確保するため、基準に対して校正されていなければならない。基準値を与える基準測定器もまた上位基準によって校正されている必要があり、最終的には国家標準による校正を必要とする。このように、「計測器がより高位の基準測定器によって次々と校正され、国家標準につながる経路が確立されていること」を計測器のトレーサビリティと呼ぶ。トレーサビリティは、測定の信頼性が現場で使用する末端の測定器にまで一定のレベルで保証されることを目的とする考え方であり、計測値の社会的認知を得る基本的条件として世界的に普及している。