ドップラー効果

ドップラー効果 どっぷらーこうか

 Doppler effect. 一般には波源と観測者が相対運動している場合に波源の振動数と観測される振動数にずれが生じる現象をいう。原子力分野では、原子炉内の温度が上昇した際に物質の原子核の熱運動が活発になって中性子を吸収しやすくなり、炉心の反応度が低下する効果を指す。中性子と原子核との相互作用は、両者の相対運動のエネルギーに関係する。物質中の原子核は熱運動をしているので、中性子と原子核の相対運動のエネルギーは一定ではなく広がったものとなり、相対運動のエネルギーが広がるほど両者の相互作用の確率は高くなる。例えば、核燃料を構成する主要な核種ウラン238は核燃料の温度上昇とともに相対運動のエネルギーが広がって共鳴吸収の確率が増加するために、中性子の吸収が多くなり、炉心の反応度が低下する。したがって、この効果は原子炉出力に対して負のフィードバックとして働く。


<登録年月>
2012年01月




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