核燃料のドップラー効果を量的に表すもので、燃料の温度が単位温度上昇したときの反応度変化の割合をいう。この係数は負の値となることが多いので、正負の符号を付けないで示されることが多い。原子炉の出力が上昇して燃料温度が上昇すると、ウラン原子の熱運動が激しくなり燃料中のウラン238がより多くの中性子を吸収して核分裂を引き起す中性子数を減少させ、原子炉の出力を下げる働きをする。これをドップラー効果と呼び、負の反応度フィードバックを与えて原子炉の自己制御性を高める役割を果たしているので、この係数の値は原子炉の安全確保上で重要である。