TOKAMAK:ロシア語の「電流・容器・磁場コイル」の頭文字に由来する語。軸対称な環状(トーラス(ドーナツ状))磁場によって高温のプラズマを閉じ込める核融合のための方式または装置の一つである。トーラス方向に沿ったトロイダル磁場コイルに通電し、大周方向にトーラス磁場を作り、また、プラズマに電流を発生させることによりトーラスに巻き付く小周方向のポロイダル磁場を作る。この2つの磁場の作用で螺旋状の籠ができ、これでプラブマを閉じ込める。トカマクは1950年代に旧ソ連で開発され、1960年代後半に高いプラズマ性能を達成したことから、この方式による核融合装置は現在最も成果を挙げている。日本原子力研究開発機構の臨界プラズマ試験装置JT−60、米国のTFTR、欧州連合のJETは世界の三大トカマクといわれている。2005年6月にフランスのカダラッシュに建設が決まったITER(国際熱核融合実験炉)も同じ型である。