トーラス

トーラス とーらす

 閉曲面の一種(ドーナツ型閉曲面)又はその内部を含めた円環体をいう。核融合分野ではプラズマを閉じこめる磁界の代表的形状であるため、転じて、プラズマ閉じ込め方式、又は装置自体をトーラスと呼ぶ。核融合反応を持続させるにはイオンと電子がばらばらになったプラズマを高温度、高密度で長い時間閉じ込める必要がある。閉じ込めには磁気の力を利用する方式が主流であり、これはさらにミラー方式とトーラス方式に大別される。トーラス方式は円環状に配置されたコイル(トロイダル・コイル)内の電流によってできる同心円状の磁力線をもつ磁界(トーラス磁界)を利用して、ドーナツ状のプラズマを閉じ込める方式である。1965年にGGA社の大河千弘が開発した「大河トーラス」によって、はじめて安定したプラズマが得られた。旧ソ連では、トーラス方式の一つであるトカマク型装置を独自に開発し、現在ではこの型が世界の主流になっている。


<登録年月> 2011年12月

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