原子炉内で、「中性子の吸収によって親物質から生成された核分裂性物質量」の「核分裂するために消費された核分裂性物質量」に対する割合を転換比という。この転換比が1を超えるとき、これを増殖比と呼んでいる。転換比には、燃焼のどの時点に観点を置くかによって種々の値が考えられるが、通常は平均転換比(核分裂性物質残存比即ちその時点に存在する核分裂性物質と燃焼初期に存在した核分裂性物質の割合)が使用される。軽水炉では転換比は0.5〜0.6であり、高転換軽水炉では0.8〜0.95を目標としている。高速増殖炉の増殖比は1.2〜1.5の範囲である。