鉄水遮蔽体 てつすいしゃへいたい
鉄板と水の多層構造でできた放射線遮蔽体。原子炉の炉心から外部へ出る放射線はほとんど中性子とγ線であるので、これを遮蔽するには、中性子の遮蔽に有効な軽い元素の水と、γ線の遮蔽に有効な重い元素の鉄とを組み合わせた鉄水遮蔽体が使用される。実用例としては、新型転換炉「ふげん」の炉心部のカランドリアタンクの周囲や、原子力船「むつ」の原子炉容器の胴部周りに鉄水遮蔽体が使用されている。この遮蔽体中の水は、γ線で加熱された鉄板の温度上昇を冷却する役割も果すことができる。