直線-二次曲線モデル

直線-二次曲線モデル ちょくせんにじきょくせんもでる

 被曝線量と生物学的効果との関係についての評価モデルの一つで、低線量域では直線、高線量域では二次曲線を示し、閾値を持たないとするモデル。LQモデルとも呼ばれる。動物細胞の生存理論では、二重鎖構造を持つDNAが標的(細胞機能を維持するために必要不可欠な場所)であり、有効致死損傷は1本鎖切断よりも修復困難な2本鎖切断であるという考え方に基づいたモデルである。高線量・高線量率で行われた多くの生物実験では、このモデルがよく適合することが確認されている。しかし低線量・低線量率の場合に対しては直接モデル設定することは困難で、このモデルを外挿して推定している。1985年までの原爆被爆者の疫学データの解析から、白血病については直線−二次曲線モデルが、その他のがんについては直線モデルが適合するとされている。


<登録年月> 2012年05月

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