中性子の吸収反応が容易に起こる物質を中性子吸収材という。たとえば、ホウ素(ボロン、B)、カドミウム(Cd)、キセノン(ゼノン、Xe)、ハフニウム(Hf)などの元素、またはこれらを含む物質である。中性子と原子核との核反応によりその中性子が原子核に吸収される場合を、中性子の吸収反応という。これら中性子吸収材により中性子の数を調整できることから、原子炉の制御棒として使われるほか、中性子の遮蔽材としても利用される。なお、ウランのような材料は、中性子を吸収して核分裂を起こす際、さらに数個の中性子を放出するため、中性子吸収材とはいわない。