放射線によって誘発されるがん死亡確率を評価するため、米国国立衛生研究所(NIH:U. s. National Instituter of Health)が開発したモデルで、広義の相乗的リスク予測モデルの一種である。放射線によって誘発されるがん死亡確率(生涯がん死亡確率)を評価する方法には、従来から、相加的リスク予測モデルと相乗的リスク予測モデルがあった。NIHモデルは、最近、NIHが第3のモデルとしてPC(がんの原因確率)表の作成に開発したモデルで、観察期間中のがんの累積発生率を指標として相対的リスクを求め、これを時間的に外挿するもので、広義の相乗的リスク予測モデルの一種であり、国際放射線防護委員会(ICRP)において(従来モデルとの比較検討の対象として)とりあげられた。