<本文>
1.設立の背景
(一般財団法人)日本原子力文化財団の前身である(財団法人)日本原子力文化振興財団(The Japan Atomic Energy Relations Organization (JAERO))は、原子力の平和利用についての知識の普及・啓発を行い、一般市民が原子力についての認識を深め、原子力への正しい理解と認識が得られるよう努力することを目的として、1969年(昭和44年)7月に設立された。同財団は、一般市民との“対話”を通じ、原子力についての不安や疑問を解消させるため、きわめて幅広く、かつ多岐にわたる活動を行ってきた。2014年(平成26年)7月に日本原子力文化財団と名称を変更した後も、引き続き、原子力文化、原子力の持つ便益とリスクについての正しい認識が社会に定着することを目指している。
2.活動の目的
財団は、原子力に関する国民の意識動向を踏まえ、内外の原子力情勢の分析等にもとづいて、国民各層との対話を推進するために、具体的には、次のような点に留意して、各種の活動を行っている。
・一般市民との対話の形成に努める。
・マスメディアヘ協力し、その関係者による取材活動に迅速に対応すると同時に、マスメディアを通じて一般市民への情報の提供を行う。
・学校教育への協カにより、科学教育の一環としてのエネルギー教育の普及を図る。
・次代を担う青少年の原子力平和利用への関心を高める。
・立地地域との対話の輪を広げる。
3.主な事業活動
(1)内外情勢の調査研究
(2)報道関係者を対象とする情報資料の作成、原子力講座の開催、取材協力
(3)中学・高校の生徒や教育関係者を対象とする啓発普及活動の実施(高校生対象の
放射線実習セミナー、教育関係者対象の原子力講座等の開催)
(4)地方自治体職員や議会関係者を対象とする原子力講座等の開催
(5)一般市民との懇談会や、原子力に関する情報資料の提供、質疑応答
(6)科学技術週間や「
原子力の日」記念行事の開催
(7)国際交流の促進
(8)原子力関係のVTR、写真等資料の提供、貸出
(9)各種広報素材(出版物、VTR)の作成、頒布
(10)原子力施設見学会
(11)放射線実習セミナー
(12)講演会
(13)講座・研修会
(14)懇談会
4.組織と運営
所在地
〒103−0023
東京都港区芝浦2−3−31(第2高取ビル5階)
電話番号03(6891)1571(役員・総務部・財務部)
ホームページ(
http://www.jaero.or.jp/)
図1に財団の組織図を示す。
5.事業内容
事業の重点項目は以下のとおりである。
5.1 市民層への対応
エネルギーの安全保障、原子力や放射線のリスクコミュニケーション、
高レベル放射性廃棄物問題等について、国民各層と専門家との直接対話を重視した情報提供を強化していく。特に女性層を中心として、放射線の健康影響、風評被害の払拭等に関する問題に対しては、きめ細かい情報提供活動を展開していく。
5.2 学校教育への協力
学校教員、児童生徒を対象にした放射線の実習やエネルギーに関する授業への支援を行う。 教育で活用できるコンテンツや、原子力や放射線に関するニュースの用語解説などを、WEB等を通して継続して提供する。
5.3 地域への協カ
原子力発電所の再稼働に伴っては、
UPZ地域を含めた全国の発電所周辺の自治体へ原子力防災、放射線影響等に関する対話を実施していく。また、立地地域や電力消費地で、原子力やエネルギー問題に取り組む様々な活動団体等に対しても情報提供活動等への継続支援を行う。
5.4 報道関係者への情報提供
報道関係者向けの原子力・放射線等の情報提供を行う勉強会を、適宜継続して実施していく。
5.5 広報素材の作成
一般向けの月刊誌「原子力文化」では、原子力や放射線、エネルギーを巡る話題に関連して、広く環境、文化、歴史等の側面からテーマを取り上げる。また、市民層、自治体等のニーズを踏まえ、常に変化する状況に対応すべく原子力やエネルギー、放射線等をテーマにした出版物や広報素材を作成していく。
5.6 広報調査活動
継続的に行っている世論調査を分析して、今後の広報活動の基礎資料とする。
(前回更新:2006年1月)
<図/表>
図1 (一財)日本原子力文化財団の組織図
<参考文献>
(1)(財)日本原子力文化振興財団:原子力文化の創造を求めて(活動のご案内)(2000年)
(2)(一財)日本原子力文化財団:
http://www.jaero.or.jp/index.html